一般的な動画の作成方法および上記例の作成方法

(1) 単純録画(最も簡単な方法)

自分がスライドの前で発表しているところを誰かにお願いして録画してもらいましょう。 携帯電話の動画撮影で十分なこともあるので、 携帯電話用のスタンドあるいは壁に立てかけるだけ、などを駆使すればひとりでも撮影可能です。  ただし、絞りをスライドに合わせると発表者の顔が暗くなり、逆に発表者の顔に合わせるとスライドが真っ白になるとなるため、 発表中は自分の顔をスポットライトなどで照らしておく工夫をするとよいでしょう。

(2) Windows版パワーポイントを使用する場合

Windows版のパワーポイントでは、スライドショーの録画に音声だけでなく、 動画を録画できる機能があるようです(当方基本Macなので未確認)。 動画はいわゆる「ワイプ」の形で表示されるため、 スライドを作る際にワイプの入る部分を開けておけばよいでしょう。

(3)Zoomの録画機能を用いる方法

zoomの録画機能をつかってパワーポイントによる発表を録画します。 できあがるファイルはmp4なので、OS付属の動画編集ソフトで再調整できます。 ただし、この方法はzoom側のサーバー経由になるため、ネットワーク環境によっては パワーポイントのアニメーションがカクカク動いて見えてしまいます。 パワーポイントの開始・終了アニメーションはパッと一瞬で表示される「アピール」などだけにすると 気にならないかと思います。

(4) 例として示している動画の作成方法(当方素人でございます)

 

(4-1) まずは普通に学会用のスライドを用意します

やがて動画にするのでアニメーションを普段より多用しましょう。 手書き入力できるデバイスを持っている場合は、主張したいところを 手書き文字にすると注目が集まるようです(オンライン講義を半年やってきた経験から)。

(4-2) 1枚のスライドで話す内容を2-3分割し、1つ1つ別々のファイルに録音…あるいは録画する

今回は制限時間的にスライドが4枚程度になると思うので、動画は10個程度用意することになります。 録画は携帯電話で十分です。撮影を手伝ってくれる人がいない場合は、 録画を開始したあとに本棚などに携帯電話を立てかけて話します。

アップルウォッチに代表されるウェラブルデバイスなど、画が見えるデバイスがあると撮りやすいです。

(4-3) 撮影した動画の無駄な部分をトリミングします。携帯電話の機能でできます。

また動画はトリミングのほか、色調補正やノイズ除去も最近の携帯電話では可能です。

※音の補正はできないかもしれないですが、OS付属のiMovieなどのソフトで調整可能です。ボーカルエンハンスなどの規定の効果でこと足ります。

(4-4) スライドに動画を埋め込みます

スライドアニメーションは、「直前の動作と同時」か「直前の動作の後」だけにして、 「クリック時」を使わないようにすると動画とスライドアニメーションのタイミングがずれません。 クリックはページをめくるときだけ使います。このタイミング調整について私のやり方を以下に示します。(ある程度は試行錯誤です)

1スライドに動画が2-3個あるはずなので、前の動画再生終了のタイミングで次の動画をスタートさせるようにします。
最初の動画に「終了アニメーション」中間の動画に「開始アニメーション」と「終了アニメーション」そのスライド最後の動画に「開始アニメーション」をタイミング良く設定しましょう。
 具体的に言うと、前の動画の再生時間から0.25秒ほど引いた値を次の動画の「開始アニメーション」の「遅延時間」として設定します。 またその「開始アニメーション」の再生時間を0.25秒で再生する設定にしましょう。 こうすることで前の動画が消えている間に次の動画の「開始アニメーション」が始まります。

動画の再生のタイミングを「遅延時間」であたえることも忘れないようにしましょう。 動画をスライドに貼り付けたときに自動でアニメーションウインドウに動画の「再生」ができていますので、 これも「直前の動作と同時」にしておき、適切に遅延時間(「前の動画の長さ」-「0.25秒」)を設定することで、 この動画は開始アニメーションと同時に再生がはじまるのでスムーズにつながります。

その他のパワポアニメーションは上記が終わってから最後にまとめて「遅延時間」を設定していきます。 例えば「市販品にこのような商品があります」と動画で話すのと同時に市販品の絵がアニメーションで現れるとかっこいいです。 動画ファイルの該当箇所の時刻を読みます。tとしましょう。その動画の再生開始の遅延時間をdとしましょう。 この場合は市販品の絵が現れるパワポアニメーションの遅延時間はt+dに設定してください。微調整は必要なことが多いです。

(4-5) スライドをめくるタイミングの記録

スライドショーのリハーサルを開始してください。ここまでうまくできていれば1ページ目の最後までアニメーションが進みます。 マウスをすかさずクリックしてページをめくります。 この要領で最後のスライドまでページをめくる操作だけ行って下さい。

最後に、「リハーサルのタイミングを使用しますか?」と聞かれるので「はい」を選んでください。これで準備は終了です。

(4-6) pptxファイルから動画ファイルへのエクスポート

「ファイル ー エクスポート」を選びます。

出力ファイル形式をmp4かmovなどの動画ファイルに変更し、「保存」を押しましょう。 ファイル生成には少し時間がかかるので気長に待ちます。 パワポ右下のプログレスバーに変換状況が表示されますので参考になります。

(4-7) 発表時間の調整

発表時間はできるだけ2分±15秒を目指したいところです。 しかし、例えば2分半くらいまでならオーバーしても、 動画編集ソフトで「再生速度を110%」に設定することで2分15秒におさめることができる。

むしろ2分15秒程度までなら、2分に修正できます。

この場合、早送りによって声が高くなるのを防止する機能が 各OS無料で付属の動画編集ソフトに搭載されていますので、その機能を使うことを忘れないでください。 iMovieの場合は、右上の試聴画面にある時計のアイコンをクリックすると「ピッチを保持」と いうチェックボックスがあるので、そこをチェックするだけです。

以上が代表的な録画方法となります

若手研究者・学生ショートムービーセッションの例

使用機器・ソフトウェア:
・パワーポイント
・iPhone (動画撮影、トリミングや画質調整など)
・Apple Watch (シャッター用、画角の確認用)
・iMovie (動画に入っていたセミの声を小さく)