九州大学 大学院総合理工学府 先端エネルギー理工学専攻・先端エネルギーシステム開発学大講座 エネルギー物理工学教育分野(粒子線物理工学)渡辺幸信研究室

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研究紹介

研究テーマ3 先端粒子線計測

先端粒子線計測のための装置開発を行っています。中心的に扱うテーマは以下の通りですが、検出器開発は日進月歩。 新たな検出器開発へのチャレンジは常に行っています。

1. 宇宙線ミュー粒子によるラジオグラフィ(ミュオグラフィ)装置の開発

2. 3Dプリンタを用いた放射線検出器作成の検討

3. ウェブカメラを用いた放射線可視化装置の開発と空間線量率測定への応用研究



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以下は、2014年度までホームページに記載してあった内容です。シミュレーションによる検討段階から実際の検出器開発に至るまでの歴史の記録として、参考に残しています。興味があればご覧下さい。

研究テーマ3 エネルギー粒子線計測(宇宙線ミュオン応用等)

上述の地上における宇宙線中性子ソフトエラー研究から派生した研究です。地上に降り注いでいる宇宙線のうち約7割がミュオン(平均エネルギー:3~4 GeV)で、1分あたり1万個/m2程度降り注いでいます。ミュオンは物質とは電磁相互作用のみを行い、高い透過力が特徴です。近年、宇宙線ミュオンを用いたラジオグラフィー(放射線撮影)の応用が提案され、実証研究が行われてきました。その1つに高い透過力を利用して、火山のマグマ状態観測やピラミッドの内部探査に使われた例があります。最近では、多重クーロン散乱を利用した新しいラジオグラフィー方法が米国LANLで提案され、核テロ対策用の核物質密輸監視装置への応用について検討もなされています。これらのラジオグラフィーは宇宙線ミュオンという自然放射線を利用しており、人工的な放射線源が不要となる点に特長があります。

当研究室では数値シミュレーションによって、多重クーロン散乱手法を応用した3次元非破壊イメージングの可能性を検討しました。その一例(50cm3の鉄塊中のウランと空隙)を下図に示します。実用化に向けては、操作性に優れた安価な広面積の位置検出器開発やイメージ再構築アルゴリズムの高度化・高速化等のR"Dがさらに必要であることがわかりました。今後、J-PARCで大強度のミュオン生成が可能になると、ミュオンビーム応用の1つとして展開されることを期待しています。

宇宙線ミュオンを身近に感ずるために、地下鉄駅構内や海底トンネル内でのミュオン簡易測定を試みることを計画しています。

宇宙線ミュオンによる非破壊イメージングの検討例